2014年7月2日水曜日

『できる夫で「罪と罰」』を読んだ

『できる夫で「罪と罰」』を読んだ

あらすじ

できる夫が完全犯罪に成功したが、罪の意識に追われて苦悩と葛藤する話。

レビュー

ドストエフスキーの罪と罰の現代アレンジです。有名作品なので多少のネタバレが許されそうです。私も原作読んだことあります。でも正直な話、原作はあんまりよく分かってなかったです。こんな話だったのかーと思いました。というのも原作はロシア文学で、とにかく固有名詞を覚えるのが大変です。スヴィドリガイロフ?誰だっけ?となります。

固有名詞が出ると人名なのか、地名なのか、食べ物なのか、まずそこから悩みます。渡辺は名前ですが、綿飴は食べ物じゃないですか。外国人には判断が難しいです。外国の本は固有名詞が最大の敵です。そういう点でいうとやる夫も結構難解な文学だと思います。いろんなAAが登場して、その原作の台詞を平気で吐くので、まともに楽しむためには相当な知識が必要です。漫画、アニメ、ゲーム、ラノベにエロゲまで、読書が趣味なだけじゃとてもついていけません。

初心者はなるだけ登場人物が少ない作品を選んで、知らないキャラは一個ずつ検索したほうがいいです。ちょっと調べると大分違います。原作見てなくてもこのキャラはどういう特徴があるか大体分かってると大分面白くなります。なので初心者に薦める作品はなるだけ登場人物が少ない作品にしましょう。面白いだけで薦めてはいけません。

でもそんなことはどうでもよくて、レビューをもうちょっとしないとね。忘れるところだった。中身に少しは触れないとね。えーと、殺人事件を検事が調査して解決する話なんですけど、謎解きミステリーではないです。犯人もトリックも全部分かってます。推理ではなくてできる夫の心理描写が売りの作品です。完全犯罪になったんですけど、途中の予期せぬ事態ができる夫の心を折ります。やっぱり失敗だったんです。迷宮入りなのに失敗です。もうこれ以上は言えない。

哲学的な壮大なテーマもあります。ウルトラマンが怪獣と戦ってるときに町を破壊するのは犯罪ではないのか?という話です。俗に言う確信犯です。知っててやってるのが一般的な確信犯の意味ですが、本当の意味の確信犯です。悪いことだけどこの場合は正しいと信じてやることが本来の確信犯です。地球を守るためには器物破損もやむえないウルトラマンは確信犯です。

あとは、不幸な人物のオンパレードも売りです。現代の日本とは思えません。原作は19世紀のロシアなのでしかたないです。




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